イタリア語とフランス語

このコーナーでは、私がやったことのある英語以外の外国語のイタリア語とフランス語について書きたいと思います。両言語への個人的な思いや、自分がとったアプローチ方法、使用した教材、そして実際に現地でイタリア語を使ったときに感じたことなどをまとめてみました。

イタリア語、フランス語との出会い
私がやったことのある英語以外の外国語は、経験した順に時系列で並べますとまず、フランス語です。フランス語は大学での第2外国語として選択したのですが、あの鼻に響く美しい音に魅力を感じ好きになりました。まわりの友達は期末テストとかで苦労していた記憶がありますが、私はもともと語学好きということもあって、テストのための勉強も苦になりませんでしたし、毎回授業を、他の一般教養などの専門科目以外の講義と比べて、楽しみにしていました。

といっても所詮は大学での第2外国語の授業ですので、講義は文法、読解中心で、2年間やりましたが言語としてはほとんど身につきませんでした。いつかまたやってみたいな、という想いは今もあります。これらは大学2年生までの話ですので、私がまだ実用英語学習に目覚める前の話です。

そして次に、イタリア語です。イタリア語、といいますかイタリアとの出会いは、大学院2年生時の夏に行った、ヨーロッパ旅行です。 詳細は創造的旅行記を読んでいただきたいのですが、この旅では何故か、イタリアに縁がありました。旅の各地でイタリアからの若者と出会い、時には英語で、時にはジェスチャーだけでコミュニケーションをはかったのですが、私が会った人はみな心の温かみを感じさせるような、人なつっこい人が多かったのです。

旅の後半に実際にイタリアを訪れたのですが、縁あって現地でイタリア人の友達をつくることができました。この方たちには、家に泊めていただいたり、大変よくしてもらって、「イタリア語が話せたら、もっといろんな話ができるのに・・・」と、英語を使いながら歯がゆい思いをしました。イタリア語をやろうと思ったのは、これがきっかけです。人との出会いをきっかけに、イタリアという国そのものに対する興味も強くなってきました。イタリア語を始めたのは、その旅行から帰国した後、1999年の9月です。ここから約半年、英語そっちのけで真剣に取り組んできましたが、社会人になってからはまだ英語に集中しています。

イタリア語をはじめた時点では、実用英語学習を始めてからすでに2年以上経っていて、英語学習においていろいろ方法を工夫したことによる経験がありました。ですので、今まで培ってきた方法で、イタリア語に対しても自然にアプローチを行いました。具体的には、
  • 文法
  • リスニング
  • 音読
の3つです。語学学習には欠かせない要素ですよね。
イタリア語の文法は難しい!
文法は「メモ式イタリア語 早わかり」という参考書を一冊買って勉強しました。イタリア語とフランス語は、両方ともいわゆるロマンス系の言語ですが、フランス語の経験から、イタリア語の文法の難しさは覚悟してました。その主な特徴は
  • 動詞の活用が難しい
  • 名詞に性がある
の2つだと思います。1つ目に関して、主語人称代名詞の違いによる動詞の変化は、英語では三単元のSだけですが、イタリア語やフランス語では、動詞そのものの形が変わります、つまり活用です。それに加え、英語よりも時制の種類が多く、過去、前過去、半過去、大過去、遠過去、条件法(仮定法)、などがあり英語では助動詞+過去分詞やing形で表現する部分も、全部動詞の活用で表現します。半過去というのは英語には時制形ですが、過去進行形に近いものです。その他、接続法という、英語には全くない用法があり、この接続法について直接法と同じく現在、過去、と活用形があります。そんな感じで、1つの動詞の活用形の数は、なんと100通り以上にもなります!。更に動詞によって規則的に変化するもの、不規則変化するものの両方がありますので大変です。

2つ目に関して、その名詞が男性名詞か女性名詞かによって、つく冠詞、形容詞が変化するので、これまた英語の文法に慣れている人にはやっかいです。これに関してはイタリア語の方がフランス語よりも少しラクに感じました。イタリア語の場合、単語の最後が「a」で終わるのは女性名詞、「o」で終わるのが男性名詞、というわかりやすい法則があるからです。といっても例外も数多くありますが。

っと、至極大雑把にイタリア語とフランス語の文法の特徴を述べてきましたが、言いたいことは「イタリア語の文法は、英語のそれに比べて、とても複雑で難しい!」ということです(^^; もちろんフランス語もですが。また、日本語では「私は」とか「あなたは」などの主語を、日常会話では省略してしまうことが多いですが、イタリア語でもそうです。例えば、英語で「I'm 〜.」という形は、イタリア語では「I」にあたる「Io」は省略されることが多く、「Sono〜.」となります。「Sono」は「am」に対応しています。主語を言わなくても、イタリア語では動詞が複雑に活用し、そのそれぞれの発音が微妙に異なるので、主語が何なのかは活用形を聴きわけることで判断できるわけですね。この辺はフランス語と違います。
イタリア語の発音は簡単!
文法の複雑さに比べて、発音は英語に比べるととても簡単だと思います。その理由の1つとして、上でも少し述べましたが、単語の多くが「a,e,o」などの母音で終わるという点です。たとえば「私は日本人です」は「(Io) sono giapponese.」(いーお そーの じゃっぽねーぜ)です。日本語は基本的に「子音+母音」ですので、日本人にとっては発音しやすいですよね。日本語の母音の順番は「アイウエオ」でローマ字にすれば「aiueo」ですが、イタリア語ですと「アエイオウ」、つまり「aeiou」だそうです。

あと、これはドイツ語やスペイン語でも同様だと思いますが、基本的にローマ字読みでOKです。イタリアで、ガイドブックにのってる表現をそのまま読んでも通じやすいのはそのためだろう考えられます。フランス語は、正確に読みあげるだけでも初心者には難しいですよね。ただ、人によってはRの発音、つまり巻き舌が難しいかもしれません。私は問題なくできたのですが、こればっかりは苦手な人にとってはツライですね。また、フランス語のRの発音は英語とは全く異なり、これも慣れるまで日本人にとっては難しいと思います。

意外に思われるかもしれませんが、イタリア語とフランス語は、その音の響きの違いからは想像しにくいですが、すごく似てます。例えば「l love you.」はフランス語では、かの有名な「Je t'aime.」ですが、イタリア語では「(Io) t'amo.」です。ですのでフランス語の経験がある方なら、イタリア語へはすんなり入れることと思います。ちなみに、イタリア語とスペイン語は文法だけでなく音声面でも似ているので、イタリア人とスペイン人がお互いに母国語でしゃべったとしても40%〜50%はわかると友人が言ってました。そういう感覚って、日本語を母国語とする日本人にはなかなかわからない感覚ですよね。英語とイタリア語、フランス語の関係については、フランス語の方が英語に似た単語が多いですし、全体的に英語に近いように思えます。これは、フランス語よりも、イタリア語の方がラテン語の原型に近いことと関係しているそうです。
使用したイタリア語教材
約半年間の学習で、使用した教材、本等をあげてみます。
  1. NHKラジオ イタリア語講座
  2. メモ式イタリア語 早わかり (文法本+CD)
  3. よく使う順 イタリア語フレーズ470 (本+CD)
  4. ドクトル・ダリウスの事件簿 (CDブック)
この中で、もっとも効果があったのはやはりNHKのラジオです。やさビジと同じように、会話の部分だけをMDに編集してリスニングと音読をやりました。また文法は上述のように大変やっかいだったのですが、最初の1ヶ月で集中的に上記の本を用いて終わらせました。動詞の活用を暗記するために、自分で声を吹き込んでテープをつくって聴いたりもしました。結構効果あったように思えます。こんなことやったのはずっと前に、英単語記憶の「スーパーソニック法」以来です(^^; あの時は、自分のメチャクチャな発音で吹き込まれたテープを聞くという、今考えるとおぞましいことをやっていたのですが、イタリア語の発音は簡単なので大丈夫だったと思います(^^;。
そして半年後・・・
約半年間の学習を経た後、2000年3月に卒業旅行として、一人でイタリアを3週間ほど周遊してきました。で、肝心の学習の効果ですが・・・

学習後の私のイタリア語のレベルは、「旅行会話、もしくは内容の簡単な会話ならなんとかなる」ってとこでしょうか。イタリア語検定は受けなかったので、英検やTOEICだと何点くらいのレベルに相当するのか、なんて考えるとちょっとわかりません。当たり前ですが英語のように会話を楽しめるレベルにはなりませんでした。

インフォメーションやホテルでの旅行会話は問題なくこなせましたが。また今回も、列車パスによる異動型の旅で各地でいろんな人に会いましたが、簡単な会話ならなんとかなるのですが、相手が少しでもナチュラルに話してくるともうお手上げです(^^;

。また、前回の旅で知り合ったイタリア人の友人との再会も果たしたのですが、音読によって口になじんでいるフレーズはすぐ出てきて通じるのですが、考えながら文を作っていくことはできず、またネイティブ同士の会話は、ほとんど聴き取れませんでした。英語で話していると「日本語ならもっとスムーズに話せるのに・・・」とよく思ってましたが、イタリア語で話していると「英語ならもっと話せるのに!」と何回も思いました(^^;

それでも、満足のいくレベルとはとても言えないですが、会話を楽しむことはできましたし、旅全体を通じて、半年間学んだイタリア語は、本当に役に経ちました。旅行で行く国の言葉がしゃべれると、旅の楽しさが何倍にもなりますね。それを実感できたことが最大の収穫です。
またいつかやりたい・・・
社会人になってからは英語の必要性を再認識し、イタリア語はとりあえず一時休止状態です。でも、いつかまた必ずやろうと思ってます。個人的にはイタリア語の音の響きがとっても好きです。イタリア映画やオペラが好きな方は多いと思いますが、イタリア語の響きはとても美しいですよね。フランス語の鼻にかかったなめらかな響きももちろん好きなんですが、どちらかというとイタリア語の方が好きかな・・・できればラテン語の語源を勉強し、将来イタリア語もフランス語も使えるようになりたいですね。

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