特に衝撃を受けた本

ここでは今までに読んだ英語関連の本の中で、私の英語学習に関する考え方、ポリシーなどに大きな影響を与えた、衝撃的な本について書きたいと思います。

1.英語は絶対勉強するな! チョン・チャンヨン 著 サンマーク出版
2.TOEIC最強の学習法 池田和弘著 日本実業出版社

1、英語は絶対勉強するな! チョン・チャンヨン 著 サンマーク出版
衝撃的な本です。私が実用英語学習を始めたきっかけとなった「TOEIC最強の学習法」と同じか、それ以上のインパクトがありました。それは何故かといいますと・・・

まず過激なタイトルについてですが、これはつまり、英語をはじめとする外国語は受験勉強のような典型的な「勉強」によって身に付けるのではなく、聴いたり音読したりして「慣れる」ことによって身に付けるものである、ということです。ありきたりなタイトルをつけるよりも、このようなインパクトのあるタイトルにした方が売れると、著者が判断してこのようなタイトルをつけたのではないかと想像します。

次に肝心の内容ですが、作者の述べる具体的な方法論は、まとめますと以下の5ステップになります。
  1. 1hくらいのテープを部分的にではなく、最後まで聴き通すように、1日1〜2時間聴いて耳になじませる。
  2. ディクテーションを行う。その際単語単位ではなく、センテンス単位で書き取るようにする。
  3. 全部書き取ったら、ひたすら音読。口に「英語がなじむ」までやる。
  4. わからない単語を和英でなく英英辞典で調べる。その際、ノートに書き写し、音読する。
  5. 1週間に1日は、完全に英語から離れる。
このやり方で、聴く対象をTOEIC問題のテープなどから、映画のビデオへとステップアップさせていくのだそうです。こう書きますと、なんだか今まであった方法とそれほと違うようには思えませんが・・・

このやり方のすごさを一言でいえば、このやり方は松澤さんの提唱する「Parrot's Law」と、本質的に全く同じである、ということだと私は思いました。Parrot's Lawに関しては本家松澤さんのHPを読んでいただくとしてここでは詳しく述べませんが、基本的には10〜20分程度の音楽やスピーチなどの英語を「聴き込む→声に出して真似る」という至極シンプルなものです。

私はParrot's Lawの威力を、実践することによって体験していますが、この本を読んだあと、Parrot's lawに関して、その正しさを確信しました。松澤さんに言わせれば、この本に書かれているやり方は、常識というか、当たり前すぎて特に感銘を受けなかったそうですが・・・

「Parrot's Law」と同じだからすごいと思った、という理由だけでは説明になりませんので、個人的に感じたこのやり方の優れた点をもう少し。このステップのなかで特に重要な点は、「英英辞典を用い、ただ調べるだけでなく、ノートに書き写して音読する」ことだと思います。私は、英英辞典はかなり前からもってましたが、英辞郎などの電子辞書をもっぱら使ってまして、英英は真剣に引き続けた時期がありませんでした。それでも「英語で考えられるようになるためには、英英を使わないとだめだろうなぁ」くらいの考えはもってましたが、今まで主として学習の対象となった「やさビジ」についても、日本語訳を呼んでしっくりこないことがあっても、それをそのまま暗記しようとしてしまい、「英英で調べた」ことは全くと言っていいほどなかったです。

ここで英語学習における、英英と和英の果たす役割の違いを簡単に述べておきますが、英英は「英単語を英語の説明により理解しようとすることにより、語感を鍛える」のが目的であり、一方和英辞典は「ある英単語に対して、日本語で最も意味の近い単語を訳語として覚える」のが主な役割だと考えています。つまり、英単語を覚える際、最も理想的な状態は「その単語の意味を英語で説明でき、なお日本語の訳が言える(日本語だと何という単語になるのか言える)」ということです。

なんだか当たり前のことのようですが、自分が今まで覚えてきた、普段メールでよく使うような簡単な形容詞、動詞などを英語で説明しようとすると、これがなかなかできないんですね。で、英英を引いて説明を読んでみますと、今まで自分が、その単語に対していかに表面的な理解しかしていなかったか、思い知らさせられました。TOEICでは900点近く達成していたのにこのザマです。ショックでした(^^;

話を戻しますと、少々短絡的ですが私はこの本を読んで「英英を引く重要性」を認識することができたと思っています。この本に、衝撃を受けたというのはその辺が主な理由です。著者の言う英英の活用法の詳細はここには書きませんが、私はそれを読んで、うまく説明できないのですが英英に対する意識が180度変わったのです。

っと、ここまで良い部分ばかり書いてきましたが、この本には致命的なミスがあります。それは

「発音の具体的な習得方法が書いてない」

ことです。本には、とにかく集中して精聴し、徹底的にテープの音を真似することによって発音が身につく、のように書かれてますが、Udaさんに発音を学んで、時間をかけてじっくり矯正してきた私の経験からはこれは明らかにおかしいです。正しい発音を身につけずに、音を完全に耳になじませることなんてできないですよね。作者はきっと、なんらかの奇跡によって発音をマスターしてしまったのでしょう(^^)

また、本には1日2時間程度の学習時間で、早い人で半年、遅くても1年で英語をネイティブスピーカーのように聞き、話せるようになると書かれていますが、それはちょっとムリがあると思います。この本に書かれているやり方をそのまま実践すると、とにかく時間がかかります。特にディクテーションがそうです。4〜5分のスピーチを全部ディクテーションするだけでも私はかなり時間がかかってしまいますが、1時間のテープを全部ディクテーションするのは大変な作業です。その他のステップにかかる時間も考えますと、1年では無理があるのではないかと思います。厳密に計算したわけでなく感覚的なものですが、多くの方は賛同してくれるのではないでしょうか。

っと長々と述べてきましたが、まとめますと、私にとってこの本は、Parrot's Lawと英英辞典の重要性を認識させてくれた素晴らしい本、ということになります。その他この本には「映画から英語だけでなく文化も学べ」、とかいろいろなことが書かれており、人によって評価が大きく分かれる本だと思います。最後に、この本の著者は韓国の方なのですが、韓国の英語教育事情と日本のそれが、あまりにも似かよっていることに驚かされました。読みごたえのある本ですので、興味をもたれた方は本屋でパラパラめくってみてください。かなり売れているみたいですね。

2、TOEIC最強の学習法 池田 和弘著 日本実業出版社
私が実用英語学習を始めるきっかけとなった、記念すべき本です。この本に出会っていなかったらこんなに英語をやっていなかったでしょう。実はこの本、3年ほど前に友達にあげてしまって手元になかったのですが、実用英語学習を始めてちょうど5年になり、ここらで原点に戻ってみるのも悪くないと思って本屋で買ってきました。

初めて本屋でこの本を読んだとき、興奮して思わずその本屋で3時間ほどずーっとそのまま立ち読みしていたことをよく覚えています(^^)。久々なので結構忘れている部分も多かったですが、この本のすごさをまとめれば

  • インプット重視
  • とにかく音読、ひたすら音読
この2点に集約されるのではないでしょうか。全体的には、英語学習において極めて重要な要素(文法をどうするか、etc)をわかりやすい言葉で簡潔にまとめているという印象を受けます。下手に突っ込んで詳細に書いて、読者を混乱させてしまうのを防ぐ、という著者の意図がうかがえます。その他、TOEICの問題集等を解く際の、問題内容を効率的に記憶するためのノートの取り方や、語彙増強方法としてのスーパーリピート方式やスーパーソニック方式など、優れた内容が満載なのですが、これらも重要なことは言うまでもないですが上記の2点に比べれば大分かすんで見えます。逆にいえば、それだけ上記の2点が重要であり、この大原則さえ守っていればTOEICはなんとかなる、ということでもあると私は思います。

この本は、200点アップのための、というサブタイトルが示すようにTOEIC600以下の人が800レベルを超えるための方法論をまとめた本です。個人的には、800にできるだけ短時間で達成するための本としてはこの本より優れた本はないのではなないかと思います。他にこのような学習方法論を書いた本を読んだことはあまりないのですが。現にこの本に出会った時期とほぼ同時に受けたTOEICは590点で、その後1年間この本の通りに勉強に励み、1年後のTOEICで205点アップの795点を獲得することができました。他の英語学習系Webサイトを運営されている方で、私のようにこの本を勧める方は結構います。

この本の欠点は・・・探したのですが特に指摘できるようなところはありませんでした。TOEIC800突破(もちろんその先も)を目指す全ての人にオススメできる素晴らしい本だと思います。就職活動を控えた学生さんのTOEIC対策や、社会人の方のTOEIC対策等に、十二分に対応できるでしょう。

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