私の英語学習哲学


目的とは「方向性」
自分のパッションが何なのか、確認するところまできました。次は、目的つまり「方向性」 の決定です。

前ページではパッションをいくつかに分類しましたが、例えば「遊び、趣味的なパッション」 である「映画を字幕なしで楽しみたい!!」の場合、方向性は

「字幕なしで映画100%理解」

になるわけです。これは、この時点での英語学習における「ゴール」ですね。 目的を決定するというのは、その時点での 自分の英語人生の最終形を決めることですから。

「英語人生の最終形」とは言っても、 方向性は変わっていくのが普通だと思います。 よくあるパターンは、ある方向までいったら、その方向へそのまま進むことに あまりパッションが無くなり方向を変える、もしくは学習を辞めてしまう、という ものでしょうか。

私の場合で言えば、最初は「海外への漠然とした憧れ」というパッションから英語 を始めました。それから、映画の理解の方向へ向いたり、松本道弘先生の「英語道」 の方向へ向いたりしましたが、まだ自分だけの方向というのは、定まっていません。

100人の人がいれば、100通りの英語道があります。似たようなものはあるかも しれませんが、全く同じ、というものはないはずです。

私の英語学習哲学
皆さんにとって、「英語」とはなんですか?言い方を変えるならば、 皆さんはどうして英語を勉強するのですか?皆さんにとって、英語を学ぶ意味とは、 どんなことなのでしょうか。

私の考えでは、英語を学ぶ上で、一番大切なことは目的(方向性)です。 物事を行う上で、何についても当てはまることなので当然といえば当然ですが。

それは、英語学習の目的を考える、つまり、英語を学習す ることによって何がやりたいのか、どうなりたいのかを明確にしておくことで、その目的に合った 最適な学習法を自分でつくることができるからです。

具体的な例を挙げるならば、前ページにも挙げましたが、 「洋画を字幕なしで理解できるようになる」という 目的で学習するとしますと、この場合は私の考えでは「やさしいビジネス英語」や「CNN」と いったものを題材にして学習するよりも、自分の好きな洋画DVDを用いて学習するとか、 もしくは自分の好きな俳優、女優のインタビュー集を使ってリスニングを鍛えるとか、 もしくはペーパーバックを多読して口語的な英語に慣れる、とか、そのような方法の ほうが目的に合致しており、ゴールに向かって自分の英語道をどんどん進んでいけるわけです。

目的は、時間を経て、学習経験を積むにつれて、 変化していくのが普通です。私の場合で言えば、実用英語を始めた時点をスタートとするならば、 最初「英語を話せるようになりたい」という漠然とした思い、海外へのあこがれから、 英語を始めました。

それから約10年の月日を経て、目的も様々に形を変え、今では始めなら 考えられなかったような発想から出た目的をもって、英語に取り組んでいます。TOEICに対する興味は、 今はあまり持っていませんが、だからと言って、TOEICで高得点を取ることにこだわって、それを一番の目的 にしている人を白い目で見たりすることはありません。TOEICで満点 を取ることに最高の満足感を覚える方がおられれば、その「TOEIC満点への道」は、その方の 立派な、目的、つまり方向性なわけです。

「英語を学習する目的、英語学習の意味」は、 人によって皆違う、ということを認識し、時々、「英語とは私にとって何だろうか」を問いかけてみる ことが大切です。 つまり、自分の英語学習がどの方向を向いているのか、自分にとって 正しい方向に向いているのかどうかを検証するということです。時には、その方向を 修正することも必要になるでしょう。

方向を変えた結果、更なるやる気を得て学習に励むことになればそれは素晴 らしいことですし、場合によっては一時的にやめてしまっても、それはそれで意味のあることだと思います。 私は、環境の変化によってやる気を失ってしまったり、今まで好きで取り組んでいたのに、以前の ように取り組めなくなった、という経験があります。しかし、その後時間の経過とともに、新たな目的意識を獲得し また学習のモチベーションを得ることができました。

ですから、やる気(モチベーション)を失ってしまった時は、無理して 続けようとせずに、どうしてそうなってしまったのか、をまず分析してみることが、やる気を再獲得 するための第一歩なのです。無理やりモチベーションを生み出そうとしても、うまくいきません。 物事には、かならず原因があります。その原因がわからずにやみくもに勉強しても、効果が出る はずもありません。

ここまで読んでくださった方、どうもありがとうございます。ひとつ、皆さんにおたずね したいと思います。

皆さんの人生に、英語は、本当に必要でしょうか?


もし「これからは国際化時代だから、英語は必要だ」とか「英語を話せれば、世界中の 10億人と話せるようになる」なんていう、英会話学校のキャッチフレーズのような文句に 影響を受けて英語をやろうとされている方がおられましたら、

もう少し、考えてからの方がいいと思いますよ。英語をやるには、時間と労力がかかり ますから。

ただ、これだけは頭に入れてください。

英語はあくまで手段であって、目的ではありません。


おっと、忘れていました。私にとって「英語とは何か」をまだ書いていませんでしたね。 上で偉そうなことを書いてしまったので、「だったらオマエはどう思ってるんだ!?」という声が飛ん できそうなところです。私は「言葉=文化」(言葉だけが文化を 構成する、という意味ではもちろんありません)だと思っており、すなわち言葉を学ぶことは、文化を 学ぶことだと思っています。(アメリカ)英語を学ぶことは、アメリカ文化を学ぶことであ り、それによりアメリカ人の発想法や考え方に触れ、理解することができるのではないかと思っていま す。私は特にアメリカが好きなわけではありませんが、歴史、人種、文化、宗教、様々な面で日本と 「全く違う」という理由で今はアメリカに興味を持っています。アメリカでなくても当てはまる国はいく らでもあるのはもちろんですが。そして、異文化を理解すること で、自国の文化、そして自分自身に対する理解を深めていくことこそが、私が英語を学ぶ「意味」 です。これは、「そうなればいいな」と思っていることであり、実際にやってみない限り はわからないのですけれども。

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